イダルゴ州の螺鈿細工の手鏡
イダルゴ州のイスミキルパンという町で作られている螺鈿細工の手鏡です。
螺鈿は貝の裏側の虹色の光沢のある真珠層と呼ばれる部分を切り出して加工し、漆器や木工品の表面にはめこむ手法で、ギリシャやペルシャを発祥としてシルクロードを通り中国へ、日本へは奈良時代に唐から伝わったそうです。
イスミキルパンの螺鈿細工の起源はちょっと変わっていて、スペイン植民地時代にメキシコにギターが持ち込まれましたが、やがてギターの表面に装飾を施す習慣が生まれました。
初めは骨片を使っていたのですが、いつしか誰かが貝の欠片を使い始めました。
この貝細工をしていたのは最初はある一つの家族だけでしたが、それが何世代かに受け継がれていくうちに、技法が磨かれ、進化し、同時に工房が増えていきました。
最初はアコヤ貝を使用していましたが、壊れやすいので今はバハカリフォルニア産のメキシコアワビを使っています。
工程は、まず最初に螺鈿を施す木の素材に彫刻をします。
次に貝を磨き、いろいろな形に切り出します。
そして木の彫刻した部分に小さく様々な形に切った貝のかけらをはめこんでいきます。
レジンを流し込んで固め、何度か磨き、最後にニスを塗って完成。
すべて手作業で、さらに貝のパーツが細かいのでとても手間と時間がかかります。
螺鈿細工を生産しているのはメキシコでもごく限られた地域だけで、とても貴重なものとなっています。
今回は白1点、黒1点の2点入荷いたしました。
孔雀のような美しい鳥と花がデザインされています。
シンプルですが、上品な1品となっています。
サイズ: 鏡 直径5.9cm 縦 13.3cm 横 7cm
本体重さ 45g